イデア工場長の日誌,イデアデザインファクトリー,イデアデザインファクトリーのデザイナー佐藤の日記です。

2010年10月05日

Take's BAR カクテル6

そのBARは57地区の暗くちょっと湿った所にある。

ある者はある(存在する)と言うし、、
ある者はないと言う。

名無町、鮫肌交差点の信号を四首通り方面に曲がった一つ目の角
そこにメニューも何もないバーがある。

入口はピンクに塗られたマンホール。

僕はここに青い蝶を追い掛けて偶然に辿り着いた。

彼は今の世の中で血の通った音楽はロックだけだと言って、、
その赤いラベルの飲み物をグイッと一口流しこんだ。

僕はその飲み物に見覚えがあった。

それは、、かつてコ×・×ーラと言った。

「マスター、僕にブルーバタフライを一つ。。」

少し目深にかぶったよれたフェルト帽から
キラリと鋭い目がこちらを覗いた。

そして口早にこう言った。
「OK! 夢と引き換えだ。」



idea_sato_798.jpg



カクテル6


摩天楼(ゼロ)から057地区へ伸びる長い橋に蒼白い超高速の光りが二つ見えた。

その二つの光りは時々接触するように重なったり
離れたりしながら、その前方にある弱い小さな光を追っているようだった。

二つの光りは摩天楼の番犬ローダー310(ジェス)と525。
何者かをマシンフォーメーションで追いかけている。

ジェス:「こちら、310。ターゲットを確認。
これより狙撃イニシャライズする。」

(子供!!。。)

ジェスはターゲットが子供だと気づきためらった。

ジェス:「くそっ!なぜイニシャライズできないっ!!」

エラー発生!エラー発生!イニシャライズ不可。。
(最近起こるこの現象はなんだ、、)

ローダー525:「おっとと、こいつは俺の獲物だぁ〜ヒーッ、ハッハッ!」

後方のローダーがうねるように回り込みジェスの前に出る。

ジェス:「よせ、、、」

追われているのは12歳くらいの少年だ。
ジェットボードに乗って懸命に逃げる。

ローダー525:「ケッ、ケッ、ケッ、いただきーー!」

ジェスは走行しながらとっさに左腕の車輪を切り離し、
路面を滑らせるように前方へ投げつけた。

その切り離された車輪からは鋭いビスが高速で回転しなが出てくると、
525を後方からしとめた。

ギューーーーーン。バーーン。。

「てめぇ!なにしやがんだぁぁぁーー!!」

ジェスの車輪でバランスを失ったローダー525は
白い煙りを上げ回転しながらガードレールに何度もぶちあたってとまった。

ジェスは無言でビスに仕込まれたマイクロ爆弾を操作し525を爆破した。

その爆発で白い煙りが上がる方へスピードを緩めながら
マシンフォーメションからマンフォーメション(人の姿)へと
変形し少年の方へ歩いていく。

少年はガクガクと震えながら燃料切れのボードを手に
その全てを見ていた。

ジェス:「俺は何をしちまったんだ。。」

その機械の男はたしかそう呟いた。

男はゆっくりと、後頭部へ長く伸びるヘルメットを取った。

ヘルメットを取るとかろうじて人の顔と呼べるのは左目の辺りだけだ。
金色に光る髪と黒い鋼の顔が対照的だった。

右目は赤く光りキュルキュルとよく動く。

僕は恐ろしくて声が出なかった。
そして彼は僕を見下ろしてこう言ったんだ。。

「二度とこんな場所に近づくんじゃない、、
ここは地獄の入口だ。俺が何だかわかるか?」


Take's BAR Close


つづく


[Catch the Design/今日の一言]
夢と引き換えに、、


あとがき--
ジェットボードに僕も乗ってみたい。
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2010年09月28日

Take's BAR カクテル5

人は生まれたその瞬間から死の扉へと向かう。

なのに人はそれ程までに何に執着し、、
奪い合い、争わねばならないのだろうか…

イニシャル 『I(アイ)』 は、、革命の標(しるし)。

この魂は天より預かりしもの、、
死するその瞬間まで我が魂を磨き鍛え上げよう。。


「我が心の革命のもとに、、」


idea_sato_794.jpg


名無町、鮫肌交差点の信号を四首通り方面に曲がった一つ目の角
そこにメニューも何もないバーがある。

入口はピンクに塗られたマンホール。


カクテル5


Take's BARにある火時計が0時を告げる。

蝋燭に打ち込まれた3つ目の釘が
その下の銀の受け皿にチンッと音をたてて落ちた。

義嘆:「そろそろか、、」

ギーーーッ。。(扉の音)

その深い赤で染められたアンティークな
モッズコートの男は常連客らしかった。

義嘆:「ようこそ!Take's BARへ」

男:「よう」

義嘆:「いつも時間には正確だな。アイは、、」

義嘆:「う〜ん?今日は1人じゃないのかい?」

アイと呼ばれるその男の後ろに人影が見えた。
そこにいるのはいつかの女の子。

義嘆:「あっ!アニー(アネモネの愛称)じゃん。アイと知り合いだったのかい?」

「何だそうならそうと、、」

ギタンはカウンターごしにテーブルを拭きながら
二人分席を用意した。

アネモネ:「違う。いや違わない。さっき知り合ったの。。」

アイ:「そこでな、、衝撃的な出会いだぞ、ギタン。」

義嘆:「まっとにかく座れば、、?」


「何でもあるけど何にもないぜ。」
「何にする?夢と引き換えだ。」


アイ:「今日は外がやたらと騒がしいな、、赤いのくれ。」

「何度も言わせるな、、俺はこの国を一つにしてんだ。」

義嘆:「あいよー!赤いのね、ラジャー!アイ大佐!!」

「アニーは?何にする?」

アネモネ:「ブルーバタフライちょうだい。」

「ねぇ、赤いのって?なに??」

義嘆:「あ〜。。アイは同じのしか飲まないんだ。」

「レッドムーン。キツイから止めといた方がいいぜ、、」

「夢と引き換えだ。ごめん、決まりなんだよ。。」

アネモネ:「いいわよ。兄に逢いたいの!駄目?そんなんじゃ、、?」

義嘆はアネモネの大きくて青い目を覗き込んだ。
義嘆には人の嘘を見抜く特殊な力がある。

(アネモネは嘘を言っていない。兄さんに本当に逢いたいんだな。。)

義嘆:「もちろん、い・い・よ。」

「、、ついでに言うとブルーバタフライには夢を導く力がある。」

アイ:「ギタン、俺は彼女を良く知らないんだ。さっき地上に繋がる
階段から足を滑らせた所に偶然居合わせて、、いや、俺が驚かせてしまったんだ。」

アネモネ:「そう、、助けてもらったというか、、ありがとうございます。」

義嘆:「アニーなんて親しそうに言ってるけど、俺もこの前ここで会ったばかりさ、、」

「でも、妙に気が合ってさ。」

アネモネ:「Take's BARの新人。、、です。(小さく)」

義嘆:「兄さんがいるんだね。」

「で、、逢いたいって言うのは?」

ギタンは手際良くブルーバタフライを作ると
スーッとそれを差し出しアネモネに優しく訪ねた。
(アイには「ゴメン、レディーファーストね!」と目で合図した。)

アネモネ:「兄は摩天楼(ゼロ)にいるの?」

アイ:「…」

義嘆:「えっ!摩天楼に?!」


Take's BAR Close


つづく


[Catch the Design/今日の一言]
赤いの

あとがき--
頭の中で話しの大筋は捉えているけれども
毎回書き出しだけ決めて即興で掲載しています。
それはバーテンが客にこんなのできる?と言われて
カクテルを作るように、、
posted by satopi at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | Take's BAR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

Take's BAR カクテル4

辺り一面、見渡す限りのコスモスが咲き乱れていた。
花は誰の為にその命を燃やし咲かすのだろう。

遠くに白いワンピース姿の妹が見えた。

時々見えなくなるのは辺りの草花や虫たちに
夢中になっているからだろう。

「あまり無理をするなよ!」

俺は妹に向かって叫んだ。

「わかってるー」

また見えなくなった。。

「困ったやつだ。。」

でも元気なあいつの姿を見るのは久しぶりだ。

「あーー!空気ってこんなに美味しんだな。」

妹は俺にも聞こえる声でそう言った。

その時、突然耳の奥まで突き刺さるような
サイレンが鳴り響いた。
辺りは突如黒い雲で覆われ、白いコスモスは邪悪な蜘蛛に化け
足下から次から次と無数に這い上がってくる。

「う、うわーーーーっ!!!」

緊急出動!緊急出動!
057チクヨリシンニュウシャアリ、シンニュウシャアリ、、057チクヨリ、、

俺は夢を見ていた。

「クッ サイボーグでも夢は見るんだな、、」

ジェスの体はホームポジションで充電器に繋がっていた。
無数のコードは手元のボタンで全てシャットダウンできる。

「こちら310。ただちに現場へ向う。」

「310遅いぞ!チューニングが甘いっ!!」(いきり立つ赤いサーベルの声)

通称赤いサーベルはローダーの総司令官だ。

「よー相棒。今お目覚めかい?気分はどうだい?」
ホーム(ピットイン)の奥から525が粗暴な挨拶をする。

「上々さ!」

ジェスは一瞬でローダー変形し、その光りに包まれた体(車体)は
フルスロットで飛び出して行った。

闇に怪しく浮かび上がるゼロ(摩天楼)を後に、、



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カクテル4


私は薄紫色のサングラスの男、ギルが帰った後ですぐに身仕度をした。
自分が予定としていた時間より20分ほど遅れてしまった事に少し
苛立ちを憶えていた。

でも皿を洗い、いつものようにきちんとかたづけもしたし
明日オーナーに何か言われることもないだろう、、そうアネモネは思っていた。

長い髪はそのままで、蚤の市で見つけたお気に入りの
プレットビンガーの鞄を斜がけして改造ジェットボードに飛び乗った。

「IDとパスワードをお願いします」

「アネモス 風の音」

膝までのロングブーツを履いた脚で地面を
二回程蹴って、ジェットボードは勢いよく飛び出した。

「バランス感覚なら兄さんにも負けないわ」
そう呟き、ジェットボードは蒼い炎を出して
高速でカザネを後にTake's BARへと向かう。

名無町、鮫肌交差点の信号を四首通り方面に曲がった一つ目の角
そこにメニューも何もないバーがある。

「あっピンクのマンホール!」

「セーフティーモードに切り替えます。」とジェットボード

アネモネはジェットボードから飛び下り
ボードを右手に抱えモーターを切った。

「スリープします。」

アネモネ:「旧式はいちいちうるさいわ。。」

入口はピンクに塗られたマンホール。

その重い入口は手で開けなかればならない。

随分不便だけど、、ようやく見つけたんだから。
「んーーー。んーーー。。」

地上から真直ぐに降りる階段は地下深く、、闇へと繋がる。

「何でこんな場所にBARなんか作ったんだろう?ちょっと趣味疑うわよね」

アネモネはぶつぶつ言いながら階段を慎重に降りていった。

「たしかこの辺よね。。」

階段に付けた印しを確認して鞄からロープを出した。
※ジェットボードは垂直移動には向かないらしい。

その時下から突然声がした。

「おまえ、、誰だ?」

アネモネはその声に驚き、そこから足を滑らせ落ちてしまった。

「きゃーーー」

ズ、、ストン。。

私はどうやら落ちたらしい事に気がついたが体に痛みはなかった。
何かに支えられていることに一瞬戸惑った。

この男が私をキャッチしてくれたんだ。

その男のベレー帽には星のマークが着いていて
その左の頬には大きな傷があり、
右目は何かで負傷したのか眼帯で覆っていた。

「ありがと、、」

「最近ここは女が降ってくるのか、、」


Take's BAR Close


つづく


[Catch the Design/今日の一言]
花の命


あとがき--
登場人物のイメージがだんだんまとまってきた。
そのうち絵にします。
posted by satopi at 20:15| Comment(2) | TrackBack(0) | Take's BAR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする